痔とは?
大きく分けると痔核(イボ痔)、裂肛(切れ痔)、痔ろう(あな痔)の3種類があります
痔は、痔核(イボ痔)、裂肛(切れ痔)、痔ろう(あな痔)の3つに大きく分けられます。 そのうち、約半数を占めるのが痔核(イボ痔)で、裂肛(切れ痔)、痔ろう(あな痔)は1~2割程度です。
痔核(イボ痔)
痔核(イボ痔)とは、肛門の血の流れが悪くなり、血管の一部がふくれあがりこぶ状になる痔です。 形がイボに似ている為イボ痔と呼ばれます。 症状としては、出血や脱出です。
裂肛(切れ痔)
裂肛(切れ痔)とは、固い便によって肛門付近が切れたり裂けたりする痔のことです。慢性的な便秘や下痢により起こりやすくなり、男性よりも女性に多いのも特徴です。 症状としては、出血や排便時のキツイ痛みです。
痔ろう(あな痔)
痔ろう(あな痔)とは、下痢などによる細菌感染が原因で、肛門のまわりに直腸からばい菌が入り、炎症を起こし、膿の袋ができて、最終的に直腸と皮膚とつながるトンネルができる痔です。 老年~中年の方に多く、また男性に多いのが特徴です。症状としては、発熱と肛門周辺の痛みです。
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症状
治療方法
痔核の治療法はその種類と症状に合わせて選びます。軽度、中等度のものは保存療法を主に、高度症例は外来手術、処置あるいは手術療法を選択します。
ジオン注(4段階注射療法)
脱出をともなう内痔核(いぼ痔)に「ジオン注」という注射剤を投与して、痔に流れ込む血液の量を減らし、痔を硬くして粘膜に癒着・固定させる治療法です。 成分は硫酸アルミニウムカリウム(出血症状や脱出症状を改善する)・タンニン酸(硫酸アルミニウムカリウムの働きを調節する)というものです。 また痔核を切り取る手術と違い、痔核の痛みを感じない部分に注射するので「術後の痛みや出血」ということはなく、日帰り手術で通常生活への早期復帰が期待できます。
保存療法
生活療法
痔の治療の基本。便秘・下痢を解消するために食生活に注意したり、入浴や坐浴で患部を清潔にすることにより肛門への負担を軽減する方法。痔疾の進行を緩和するためにも効果的です。
薬物療法
一般的に内痔核の8割は、坐薬や軟膏、内服薬で症状が改善するといわれており、症状を的確に見極めて薬の使用法を考える必要があります。
注射療法
痔核注射療法の適応は1~2度の内痔核または出血性の内痔核です。坐薬や軟膏などでも症状が改善せず、2~3週間の経過をみても変化がみられないときには、注射による痔核硬化療法も選択肢になります。痔核の腫れている部分や粘膜のゆるんだ部分に注射をして固める方法です。 出血に対する効果はかなりありますが、数ヶ月のうちに再発するものもあり、効果の持続は1~2年であるとも考えられています。
輪ゴム結紮療法
肛門内から脱出する痔核や粘膜部分をゴム輪でしばり、阻血性の壊死を起こし脱落させる方法です。外来で麻酔なしに実施できるのが特徴です。併存疾患やその他の理由で手術不能な場合に痔核の脱出を軽減する目的で行います。この方法では余剰粘膜の処置はある程度出来ますが、痔核本体を成す静脈瘤までは十分に結紮できないため、根治性はやや劣ります。
手術療法
用手拡張(stretching)
指を用いて肛門を拡張し、肛門管を過伸展させ肛門のspasmを取り除くことで裂肛を治癒させる方法です。
LSIS(Lateral subcutaneous internal sphincterotomy側方内括約筋切開術)
局所麻酔下でメスを用いて内括約筋を切開する方法です。
SSG(Sliding skin graft皮膚弁移植術)
局所麻酔下で、潰瘍底の瘢痕組織と合併した肛門ポリープや見張り疣を切除する方法です。 瘢痕硬化した括約筋に切開を加えて、肛門管を適度に拡張し直腸粘膜と皮膚を縫合し、その縫合線よ10mm位離れた皮膚に浅く弧状の減張切開を行い皮膚弁を作成します。
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