鼠径(そけい)ヘルニアについて
- 他にも日常生活で気をつけたほうがいいことはありますか?
くしゃみ、咳をしやすい方は下腹部に負担がかかるので注意が必要です。便秘をしないことも大切ですね。また喫煙は細胞の組織をもろくさせるのでリスクがあがります。おなかに力がかかる仕事、また美容師さんのように立ち仕事の長い方もなりやすくなってきます。
- 診察は今月に予約し、手術は3ヶ月後の長期休暇に行いたいと思っているのですが、間が長くあいてしまっても大丈夫ですか?
問題ありません。ただ時間の経過で症状が変化しますので、術前の検査(心電図、血液検査)は1週間位前に行います。ご希望の手術日を予約するために早めに初診に来られることは有効です。海外からは、帰国に合わせて診察と手術日の予約をする方もいます。
- お酒は、どんな種類でも飲んでいいのですか。
どんなお酒でも飲んでいただいて大丈夫です。入院の手術と違って、日帰りの外科手術は少量のお酒であれば禁止にはなりません。
- 抜糸はしますか?
手術の際は内部に溶ける糸を用い、皮膚切開部は特殊な生体用瞬間接着剤で固定しますので、術後に抜糸や消毒の必要はありません。手術翌日よりシャワー、翌々日より入浴が可能です。
- 女性で特に必要なことはありますか。
マニキュアとペディキュアはできるだけおとしてください。指にクリップをつけるためです。男性、女性どちらも手足の爪を切っておいてください。その他は特にありません。
- 生理中の手術は可能でしょうか?
特に問題ございません。
生理痛がひどくて頭痛薬などを飲まれている方は生理が終わってからを勧めております。
生理が痛い時期を終えてからの方が安心できるかと思います。- 授乳中の手術は可能ですか?
手術の当日だけ搾乳して頂いて、当日の夜から授乳再開されて大丈夫です。
- 使用されるメッシュの素材が体に合わないことはありますか。
ポリプロピレン製は 50 年程前から使用されていますので大半は問題ありません。もしアレルギー反応が確認された場合は糸のみで縫合します。
- 手術創(縫合された傷)の長さは何センチくらいですか。
昔は 6 ㎝位が平均でしたが、シートが使えるようになってからは男性で2㎝~3 ㎝、女性が 1,5 ㎝~2㎝ほどです。体格が大きい方は、男女それぞれ、プラス 1 ㎝位になります。
- 家に帰ってからは、あまり動かずに静かに過ごしていればいいのですか。
日帰り外科手術は、手術したことを気にせずに日常生活ができる高度な手術です。術後の痛みは3日程でほとんどおさまるので、力仕事以外は普通に動いていただいて大丈夫です。辛い痛みを感じなければあえて慎重になる必要はありません。
- 手術後の痛みを強く感じるというのは、体質ですか?
特にそういうことではありません。一般的に若い方や男性は敏感なので、多少強く感じることはあると思います。逆にご高齢であると感じ方が弱まりますから、楽でしょう。
- 手術後、家に帰ってからの体調の変化が心配なのですが。
気になる症状があれば、クリニックの携帯電話へご連絡ください。24時間受付けておりますので、夜中の出血や痛みなどは翌朝まで我慢しないようにしてください。動けない状態であれば往診に伺います。留守番電話のメッセージには折り返しご連絡いたします。
- 手術当日は車で行っても大丈夫ですか。
1時間圏内の距離まででしたら、とお伝えしております。
- 海外からの帰国に合わせて手術を予定しています。1週間後の診察を受けられないと手術は不可能ですか。
いいえ、大丈夫です。1週間後位に患部の写真を撮ってメールで送ってください。アップ目と少し引いた全体的な写真があると助かります。国内でも遠方の方とはメールでのやりとりをしています。
- 夕方からの手術の場合、常用薬の制限はありますか。
手術当日の常用薬は、昼食のあと、食後・食間とも普段通りに服用してください。血液をさらさらにする抗血小板薬も服用可能です。手術前におなかが空かないよう、午後3時までなら軽食をとっていただいて大丈夫です。
- 足の付け根が腫れてますが、そけいヘルニアですか。
その可能性はありますが、必ずしもヘルニアとは限りません。そけい部のリンパ節が腫れている場合もあります。判断がむずかしいこともありますから、症状の種類など関係なくお気軽に来院ください。
- どうして鼠径(そけい)ヘルニアになるのですか?
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おなかの壁(腹壁)の抵抗の弱い部分に腹圧が加わり、内臓が 押し出されてくる(脱出する)ためです。
- どんな症状がありますか?
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ヘルニアの部分(ヘルニア門)がふくらみます。特に立った時や、お腹に力を入れた時に、腸などがヘルニア門から皮下に出てきてふくらむため“脱腸”とも呼ばれます。近くの神経を圧迫して痛みを伴ったり、脱出した腸などが、お腹の中に戻らなくなったりしたら(嵌頓と言います)腹痛、吐き気、嘔吐などの症状が出ます。 嵌頓(カントン)ヘルニアは緊急手術の対象となり、直ちに治療しなければ命にかかわることさえあります。
- 鼠径(そけい)ヘルニアの手術方法について具体的に教えて下さい。
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鼠径ヘルニアは、本来お腹の中にある腸などが、お腹の壁にあいた穴(ヘルニア門)から皮膚の下に飛び出てくる病気です。手術は、まず飛び出たヘルニア嚢(脱出した腸が入っている)を、お腹の中に戻します。次に壁にあいた穴をふさいで、腸などが再び出てこないように補強します。
- 手術中や手術後の痛みは強いのでしょうか?
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手術中は、軽く眠った状態で経過し、痛みを感じることは全くありません。手術終了とほぼ同時に目が覚めます。手術後の痛みには個人差があり、翌日から自転車に乗って仕事に行った人もいれば、痛みや突っ張り感のために、動きに不自由を感じる人もいます。平均的には、痛み止めの内服薬や坐薬を2~3回使用される程度です。通常1週間くらいたつと、日常の動作で痛みを感じることは少なくなります。 デスクワークや家事は翌日からでも可能ですが、力仕事や激しい運動は、暫く控えた方が無難です。その他2~3週間注意することは、重いものを持つ、体を強く折り曲げたりねじる、飛び跳ねる、強く咳をする、便秘等です。大きな腹圧がかかると、メッシュで閉じたヘルニア門・腹壁の修復過程に影響して、スムースな治りを妨げる可能性があるからです。
- 鼠径(そけい)ヘルニアの日帰り手術後のシャワー・入浴はいつ頃から大丈夫ですか?
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術後1日目より、傷口をこすらないように静かにシャワーを浴びてもかまいません。また、術後3日目からは入浴が可能です。
- 鼠径(そけい)ヘルニアの日帰り手術後の仕事復帰の時期はいつ頃ですか?
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ハードなものでなければ、体調に合わせて始めて結構です。力仕事は、術後1週間は避けてください。
- 鼠径(そけい)ヘルニアの日帰り手術後の通院はどのようになりますか?
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手術後1週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月で再診し、再発がないかを確認します。特に異常が見られなければ、随時治療は終了となります。
- 鼠径(そけい)ヘルニアの手術後の経過・生活についてお聞かせ下さい。
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手術が終了したら、ベッドで手術室から回復室へ移動します。以後、歩行制限はありません。約3~4時間の経過観察後、問題なければ帰宅して頂きます。手術当日からシャワーは可能で、食事に制限はなく手術前と変わらないいつも通りの食事を摂ってかまいません。次の外来受診は1週間後です。キズはテープで止めるため、抜糸はありません。
下肢静脈瘤について
- 下肢静脈瘤はどうして出来るのですか?
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遠い昔、ヒトが二足歩行を始めてからの病気です。立っているとき静脈血は重力に逆らって脚から心臓へ上って行かなければなりません。そのために静脈には心臓に向かって流れるときだけ開く、一方交通弁がついています。立ち仕事などで長時間、血液が欝滞(うったい)していると、この弁(逆流を防止する弁)が壊れてしまいます。 血液の逆流防止弁が壊れることが原因で、妊娠・出産と立ち仕事それに遺伝的素因が女性の静脈瘤の3大原因と言われています。
- 下肢静脈瘤は治るんですか?
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治ります。下肢静脈瘤は”治す事が出来る病気である”ことを知って頂きたいです。多くの人々が、ひどい病状に苦しみながらも諦めています。どこに行ったらいいのか、何科を受診したらいいのか分からず、困っている人は是非受診してください。 典型的でない、多彩な外見を示すこともあり”治らない、年のせい、命に別状ないので放置しておいて良い”などと説明を受けることも多いようですが、治療経験が豊富な専門医はきちんと対応します。男女を問わず、また何歳でも、一日も早く治療して、苦痛から解放されるよう願っています。
- どんな治療法があるのですか?
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弾力ストッキングは最も手軽な治療法で、医療用のストッキングを履いて下肢を圧迫し、静脈が瘤(こぶ)のように腫れなくする方法で、静脈血の欝滞(うったい)が防げるため「だるい、重い」などの症状が軽くなります。また、立ち仕事の人などが履くと静脈瘤の予防効果もあります。しかし、出来てしまった静脈瘤が治ることはありません。
- 下肢静脈瘤の手術について教えて下さい。
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逆流防止弁が壊れた太い静脈瘤には、いたんだ血管を取り除いてしまうストリッピング手術が最適な治療法です。最近では、我が国でもレーザー治療が始められましたが、これは静脈の内腔にレーザーを照射し、静脈を塞いでしまう方法です。局所麻酔で行う場合は、手術後すぐ歩くことが出来、家事などの軽作業も可能です。
- 下肢静脈瘤は保険診療がきくのでしょうか?
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もちろん保険診療で治せます。
診療科目とその疾患や症状
鼠径(そけい)ヘルニア
主に下腹部が膨らんだり、飛び出したり引っ込んだり、痛みをともなったりします。「外そけいヘルニア」、「内そけいヘルニア」、「大腿ヘルニア」の3つに大きく分けられます。
鼠径ヘルニアの手術症例数は年間200~300件
下肢静脈瘤
脚の血管が、網目状やクモの巣状に浮き出てきたり、瘤(こぶ)のように膨らみます。そのまま放っておくと、足のだるさやむくみ、かゆみや湿疹となり、最終的には出血したり、皮膚がガサガサになったりします。
下肢静脈瘤の手術症例数は年間100~200件
痔
便秘や下痢などで肛門に負担をかけ過ぎると、発症します。「イボ痔(痔核)」、「切れ痔(きれ痔)」、「痔ろう(あな痔)」の3つに大きく分けられます。
痔核の手術症例数は年間800~900件
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お尻の悩み
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